板金加工の見積を数社に依頼すると、金額も納期もばらつきます。その差の多くは、値付けの方針ではなく「その工場がどの工程を自社でやっているか」から生まれています。工程を分解して見ると、工場選びの基準がはっきりします。
板金加工の主な工程
ブランク(切断・抜き)
レーザー加工とタレットパンチプレス(タレパン)が中心です。レーザーは自由な形状に強く、複雑な外形や小さな穴も1台で対応できます。タレパンは同じ形状の穴を大量に開ける加工や、バーリング・ルーバーといった成形を同時に行える点が強みです。どちらを持っているかで、得意な図面の傾向が変わります。
曲げ
ベンダー(プレスブレーキ)による工程です。ここは金型の種類と段取りの巧拙が精度に直結し、経験差がもっとも出やすい工程でもあります。曲げ順が組めない形状は、そもそも成立しません。図面段階で相談できる工場は、この時点で価値があります。
溶接
TIG・MIG/MAG・スポットなど。ステンレスの薄板を歪ませずに仕上げる、溶接跡を消して意匠面に使う、といった要求はここで決まります。溶接後の歪み取りができるかどうかも確認しておきたいところです。
表面処理・塗装
メッキ、アルマイト、粉体塗装、焼付塗装など。自社設備を持つ工場は少なく、専門業者へ外注するのが一般的です。この工程の往復が納期を左右します。
組立・検査
部品の組み付け、ネジ・インサートの取り付け、寸法と外観の検査、梱包まで。ここまで請けられる工場なら、発注側は完成品として受け取れます。
一貫対応の工場が向く案件
工程が多い部品、溶接や組立まで必要な部品、そして納期が厳しい案件です。工程間の移動が社内で完結するため、輸送のロスがなく、不具合が出たときの手戻りも早い。窓口が1社で済むので、発注側の管理コストも下がります。
工程分業の工場が向く案件
形状が単純で数量が多い部品、特定工程の精度やコストを突き詰めたい案件です。切断だけ、曲げだけを専門にしている工場は、その工程の設備と段取りに投資しているぶん、条件が合えば強い数字が出ます。ただし工程ごとに手配と輸送が発生するため、社内に取りまとめる人がいることが前提になります。
探すときは「工程」で絞る
「板金工場」とひとくくりに探すと候補が多すぎて絞れません。自社の図面がどの工程を必要としているかを先に洗い出し、その工程に対応している工場から見ていくほうが確実です。
マッチ工場ナビの企業検索では、CAD/CAM・レーザー加工・タレパン加工・曲げ・溶接・塗装・組立・表面処理・機械加工といった対応加工で絞り込みができます。必要な工程にチェックを入れれば、条件を満たす工場だけが並びます。エリアと組み合わせれば、輸送距離まで含めた現実的な候補が見えてきます。
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